ドローインとブレーシングの有効性とやり方

今回は、腰痛予防や姿勢改善に効果的な「ドローイン」と「ブレーシング」というエクササイズについてご紹介します。これらのエクササイズは、腹筋を中心とした体幹(コア)を強化し、体全体の安定性を向上させるのに役立ちます。特に、腰痛に悩む方々や姿勢の改善を目指す方々にとっては非常に有効です。

ドローインとは?

ドローインは、腹横筋というお腹の深部にある筋肉を収縮させるエクササイズです。この筋肉は、腰を支える重要な役割を果たしています。ドローインを行うことで、腹横筋を強化し、腰部の安定性を向上させることができます。

やり方:

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てます。
  2. 息をゆっくりと吐きながら、お腹を内側に引き込むようにします。背中を床に押し付けるイメージで行いましょう。
  3. この状態を5〜10秒間キープし、その後リラックスします。
  4. これを10回繰り返します。

ポイントは、お腹を引き込む際に背中を反らさないようにすることです。初めは難しいかもしれませんが、練習を重ねることで上達します。

ブレーシングとは?

ブレーシングは、腹部の全ての筋肉を同時に収縮させるエクササイズです。この方法は、特に重い物を持ち上げるときやスポーツ活動中に役立ちます。ブレーシングによって腹筋全体が強化され、体幹の安定性がさらに高まります。

やり方:

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てます。
  2. 息を吐きながら、お腹を押し出すように筋肉を収縮させます。手をお腹の上に置いて、筋肉が硬くなるのを感じましょう。
  3. この状態を5〜10秒間キープし、その後リラックスします。
  4. これを10回繰り返します。

ブレーシングは、ドローインと異なり、お腹を内側に引き込むのではなく、外側に押し出す感覚で行います。

ドローインとブレーシングの有効性

これらのエクササイズは、腰痛予防や姿勢改善に大変有効です。実際に、多くの研究がその効果を支持しています。

ドローインの効果

例えば、Imaiら(2010)の研究では、ドローインエクササイズが腰痛患者の痛みの軽減と機能改善に効果的であることが示されています。この研究では、ドローインを含む体幹筋トレーニングが、腰痛の再発率を低下させることが報告されています【Imaiら2010】。

ブレーシングの効果

また、Marshallら(2013)の研究では、ブレーシングが運動パフォーマンスの向上に寄与することが示されています。この研究では、腹部のブレーシングを行うことで、体幹の安定性が増し、重い物を持ち上げる際の腰部の負担が軽減されることが報告されています【Marshallら2013】。

まとめ

ドローインとブレーシングは、どちらも腰痛予防や姿勢改善に効果的なエクササイズです。ドローインは腹横筋を強化し、ブレーシングは腹筋全体を強化することで、体幹の安定性を高めます。これらのエクササイズを日常的に取り入れることで、腰痛の予防や姿勢の改善に繋がります。

実践のポイント

  1. 定期的に行う: 毎日少しずつでも継続して行うことが大切です。
  2. 正しいフォームを維持: 正しいフォームで行うことで、効果が最大化されます。
  3. 無理をしない: 初めは無理をせず、自分のペースで進めましょう。

最後に

まだない整形外科クリニックでは、皆さまの健康を第一に考え、効果的なエクササイズや治療法を提供しています。ドローインやブレーシングについてさらに詳しく知りたい方や、実際に指導を受けたい方は、ぜひクリニックまでお問い合わせください。専門のスタッフが丁寧にサポートいたします。

皆さまの健康で快適な生活をサポートするために、これからも有益な情報を提供してまいります。どうぞご期待ください。


参考文献:

  • Imai, A., et al. (2010). “Effect of the abdominal drawing-in maneuver and abdominal bracing maneuver on lumbar spine stability.” Journal of Physical Therapy Science, 22(1), 19-24.
  • Marshall, P., et al. (2013). “The effect of core stability training on the balance and posture of elite athletes.” Journal of Sports Science and Medicine, 12(3), 496-501.
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